はかば

しこうのくよう

2019-01-01から1年間の記事一覧

君がいた春

モノクロの世界に花びらが舞う 花びらの後には君が待っていた 僕の世界は他人(ひと)の音 僕の景色はいつまでも霞む 誘(いざな)う先に暖かな光 踏み出す勇気はありはしない モノクロの世界に星がまたたく 星の向こうには君が輝いていた 僕も忘れた僕の音 僕の…

タレンタイム

観終わったあと不安感に苛まれる作品がある。私は何を感じれば良かったのだろうか、どういう作品だと言えば良いのだろうか。私は感度が低いのかもしれないし私は言語能力が低いのかもしれない。私は観客たり得てるのだろうか。 タレンタイムを観たあと、よく…

ホロコースト:分断と蔑み、そして無自覚の先に待つもの

アウシュビッツ強制収容所に行ってきた。予習として『ホロコースト』(芝健介, 2008)という本を読んでいたので新たな大きな驚きはなく沈痛した気分にもならなかった。建物や建物跡が残るだけ、という特性もあるだろう。もちろん遺留品やいくらかの状況写真…

昼下がり

誰もいなくなったこの部屋に、換気扇の音だけが静かに響く。 先ほどまで隣に座っていた事務員の木村さんも遅い昼食をとりに食堂へいき、用務員さんもいつものように見回りにいった。普段なら何かしらの用事で学生が出入りしているはずなのに、結界でも張られ…

選ぶ

物生選択をする高校生を前にして、私は何を言えば良いのか分からなかった。特に行きたい方向があるわけではない、だから選択肢の多い物理を選ぼうと思う。それに対していいやんと言った。 そもそも特に学部を決めていないなら物理の方が安牌であるといったの…

絶妙だった旅

気の置けない後輩たちと三人で日帰り旅行に行った。 青春18切符が3つ余るからどこか行こうよと声が上がったことにより、ゆるりと日付を決めてゆるりとメンバー追加の声掛けをしてゆるりと行先決めて行ってきた。 旅のあいだもそんな感じで何があったわけでは…